こんにちは。今日は、私がバイオリン職人として成長する上でかけがえのない存在である師匠について、お話しさせてください。
https://www.ishida-violin.com/
実は、専門学校を選ぶ前から、地元で長年バイオリン職人として活躍する石田泰史さんの工房を何度か訪れ、楽器技術者としてのお話を伺っていました。豊富な経験と深い知識、そしてその技術力に魅了され、「いつかここで学びたい」という気持ちが次第に強くなっていったのを覚えています。そして専門学校を卒業した後、改めて石田師匠のもとで技術を学びたいと考え、弟子入りを決意しました。あれから、実に7年間にわたり師匠のもとで多くのことを学ばせていただきました。
師匠は、言葉よりも背中で示す方で、音色のほんのわずかな変化や、お客様が理想とする響きに到達するための「技」の奥深さを教えてくれました。道具の扱い方から素材の選び方、細やかな調整に至るまで、一つひとつの作業に込める思いの強さに、幾度も感動し、自分もこの道で生きる覚悟が一層深まったことを覚えています。
ときには失敗もしましたが、師匠はその度に、私の未熟さを優しく諭し、何度もやり直しをさせてくれました。今、私がこのお店で職人としてやっていけるのは、すべて師匠から教えていただいた技術と心のおかげです。独立した今も、あの厳しくも温かな教えの数々が、私の中で生きています。師匠の背中を追いかけながら、少しでもその技術に近づき、自分の色を加えて、お客様に最高の音色を届けていきたいと思っています。
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